世界で頑張る日本人、というようなテーマのテレビ番組は、なんとなく見てしまいます。
先日TBSのクレイジージャーニーで、梶谷譲さんというハーブ農園のオーナーが取り上げられていました。
他にはないハーブをミシュランレストランにも卸して、うん千万と稼いでいるみたいです。
彼のスタンスから見ると、ブランディングしようとしているわけではないのだろうけど、
自分のできることをうまくブランド化したなあと思いました。
 
率直に、真似したいところがたくさんある!
 
ちょうど、ブランディングの事例についてブログ更新しようと思っていたのですが、事例集なんてのはネットにゴロゴロ転がっているし、大企業の例だと身に染みないかもなあと悩んでおりました。
良い機会なので、私なりに梶谷さんのハーブビジネス(なんか麻薬っぽいけどそうじゃないよ)を掘り下げてみようと思います。
 
世界中のシェフを魅了する梶谷ブランドは、どうやって作り上げられたのか?
ブランディングをモットーにウェブ制作を手がける筆者が独自に分析してみました!
 

この記事でわかること

  • 価格競争とブランディングの関係
  • 必要とされる付加価値の見つけ方

成功者は自然とブランディングしている

梶谷譲さん

梶谷譲さん 特集記事から引用

ハーブ農園オーナー 梶谷譲

まずは、彼の概略から。
広島の農家の三男坊として生まれ、「これからは英語が必要」
という両親の考えで中2でカナダ留学。
中高・大学もカナダで過ごし、農業を極めようと、ナイアガラ園芸学校に進むが、成績は2年連続の最下位。
努力しても認められないことに納得できず講師に盾突くと、
「何をしてきて、何をしたいのか。色のある人しか、いらない」
と言われ「自分にしかできない農業」とは何かを考える。
 
帰国して、新しく栽培したハーブを引っさげ青果市場に向かうも、
「安定配給」「見た目」「安さ」
だけを求められ、ハーブは単なる「飾り」としか考えられていない現実に立たされる。
 
そこで心機一転、「三つ星レストランと契約する」という目標を掲げ、パリの「アストランス」という三つ星レストランを訪ねる。
シェフのバルボは「葉っぱだけでなく、花が流行する。特に香りの強い野生の花を育てるといい」と助言した。
パリから帰ってからは、シェフの要望に応える日々。
求められるハーブを作り提供し続けた結果、「オーダーメイドハーブ」がシェフを納得させるようになり、価格競争とは一線を画した「梶谷農園のハーブ」を確立していった。
 
2007年、初めて開拓した取引先、「カンテサンス 」が三つ星をとり、2009年には「HAJIME」も三つ星獲得。
 
こちらの記事を要約しました。
梶谷農園ウェブサイト:http://kajiyafarm.jp/
 

ブランドの対極、価格競争

価格競争=コモディティ化

価格競争=コモディティ化

良いものを追求することは、悪いことではありません。
しかし、もっと性能の良いもの、もっと品質の良いものが、お客様にとっても良いかどうかは別の問題です。
業界の中で、こういった性能や品質だけを極めることでしか価値を提供できなくなると、どんな業界でも価格競争に陥ります。
これを、マーケティング用語では「コモディティ化」と呼びます。コモディティ化についてはこちら
 
価格競争を余儀なくされるコモディティ化を抜け出すには、ブランド戦略·コミュニケーション戦略が重要だとされています。
梶谷さんが帰国した頃の日本のハーブ業界は、コモディティ化していたのでしょう。
「飾り」でしかないから、安定的に、安く仕入れられれば良いとされていました。
そこで梶谷さんが成功を見出したのは、「葉っぱではなく花」。
クレイジージャーニーの中でも取材にいったスタッフさんが驚くほど「辛い」「酸っぱい」などの味が際立った花を栽培していました。
 
自然に生えているいわば雑草を試しに食べてみては面白いものがないか探っていましたね。
こうして「新しい価値」を市場に提供した梶谷農園は、ハーブ界の新しいブランドとして確立されるようになったのです。
この研究されたハーブの花やオーダーメイドのように作り分ける技術は、なかなか真似できないものです。
ミシュランが取れるハーブに価値があるのではなく、彼にしか作れないハーブ、がブランド力です。
 
−じゃあ、誰かが真似したらどうなる?
という疑問が浮かびますよね。
そうです。絶対誰か真似します。
新しいやり方、新しいアプローチで参入してきます。
そうやって梶谷さんが市場に導入した新しい価値を、みんなができるようになったら、また、価格競争=コモディティ化になっていきます。
 
これはどんな業界でも遅かれ早かれ辿る経緯ですが、だからこそ市場が成長し衰退してまた新しい価値が生まれる流れができていきます。
価格と品質

価格と品質

皆さんも、品質と価格を天秤にかけて頭を悩ませていませんか?
梶谷さんが新しい価値を見つけにパリに行ったように、他の国や似ている業界にヒントを見つけに行っても良いかもしれません。
ブランディングの第一歩になると思います。
 

他と違うからブランドではない

もう一つ梶谷さんのすごいところは、要望を聞きに市場調査を欠かさないというところです。
番組内でも、国内外問わず、レストランに足を運んではシェフと話す姿が印象的でした。
シェフと話せるからと、カウンターの奥のシェフの目の前を陣取ったりしていました。
「ハーブの花」が良いよと言われて、独自に花の研究をするのではなく、「どんな花」が良いんだ?とお客様であるシェフとコミュニケーションを取りに行ったことが、ヒットの鍵であったと思います。
もし市場調査に出かけていなかったら、お客様が欲しいものとは違う方向に進化して、使い道のないただ変わったハーブを作る人、だったかもしれません。
ブランディングで付加価値を考えるときに、陥りがちな問題かなと思います。
必要とされるか見極めるのも大切ですね!
 

付加価値を見つけるトレーニング

常に疑問を持つ

常に疑問を持つ

LinksbaseデザイナーのYukino

Yukino

これ流行ってるなあ。売れてるなあ。って思ったらなぜか?考えてみましょう!

なぜ?を連発。たくさんの事例を見てみよう

世の中には、高くても売れてるものってありますよね。
そんなものを見つけたら、なぜ?と考えてみてください。
お客様にとってメリットがあるから売れている。
何かカラクリがあるはず!
後に紹介する事例集を読むのももちろんいいですが、自分が気になったものを考えてみると良いトレーニングになると思います。
ライバルは付き物ですが、自分にしかできないことがあるはず。
深く考えてみたら、ライバルだと思っていた相手は実はライバルではなかった、ということもあります。
いろんな事例に触れて、自分のビジネスに活かせるといいですね!
 

事例リンク集

ブランディングの成功事例がたくさん集まった記事を3つご紹介。
個人的には今治タオルが、タオル界に新しいカテゴリーをもたらしたなあと関心しました。
 
ブランド戦略とは?4つの成功事例から見る共通点と戦略の立て方
ブランディング事例|11の成功事例から学ぶブランディングの成功要因
当たった!外れた!あの有名企業のブランディング4事例
 

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